代謝産物センサー分子を軸にした代謝の理解と新しい治療法の開発

我々は中間代謝産物のセンサー分子であることが明らかになってきた転写調節因子を中心に研究を展開しています。

代謝は従来その終産物に大きな関心が寄せられ、その中間代謝産物が注目されることは多くはありませんでした。近年、様々な代謝経路の中間代謝産物がエピゲノム、酵素活性、転写調節などを調節することで、代謝だけでなく、免疫、細胞増殖、炎症などの様々な生体機能を調節し、癌、自己免疫疾患、骨関節疾患、心疾患など領域横断的な疾患群の病態に関わることが示されてきています。

我々の標的分子はそうした中間代謝産物を検知しながら代謝の恒常性を維持していることが我々の研究を中心に明らかになってきました。一連の研究で脂肪酸の中間代謝産物やNADH等のヌクレオチド代謝産物を検知しながら、様々な形で代謝制御を行っていること、多彩な臓器・細胞で、そして全く新しいスタイルで生体の機能を調節していることが判明してきており、新しい治療法の開発にも着手しています。

糖尿病をはじめとした代謝疾患は以前に比べて治療薬も増えましたが、患者数は増加の一途で病態の根源的な理解とそこにアプローチする新しい治療法が必要です。我々はこの新しい代謝制御システムを軸に研究を展開しながら、広く代謝がどのように制御されているのかを理解し、そこに新世代の治療薬開発の可能性を見出し、明日の医学を切り開く気概で研究に取り組んでいます。